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リレーとしての建築 リノベーションの実践と思想 -9784761529482

原始價格:NT$1,000。目前價格:NT$850。

Product Details:
by 宮部浩幸(SPEAC)
Paperback: 224 pages
Publisher: 学芸出版社(2025/11)
Language: Japanese ONLY
ISBN-10: 4-7615-2948-2
ISBN-13: 9784761529482

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描述

過去と現在、未来を繋ぐリノベの方法と思想

「建築のリレー」としてのリノベーションはオリジナルの保全でもなく、改変部分を際立たせるデザインとも異なる。一見どこをきれいにしたのか分からない兜町第5平和ビルのリノベが評判を呼んだ。好きな人が一人いれば良いと蔦を残した蔦の家など東京R不動産でも著名なSPEACの設計を担う著者の仕事と考え方を紹介する

 

目次

はじめに

第1章 建築はリレーだ

1 建築と記憶
2 リノベーションと保存の現在地
3 リノベーションのデザイン――建築の古い部分と新しい部分の関係

第2章 文脈をつなぐ――日本橋兜町でのリノベーション

1 日本橋兜町――再生事業への経緯
2 再開発は外科手術、リノベーションは漢方
3 兜町第5平和ビル(旧第一銀行附属新館)――時の経過を表す再生
4 旧うなぎの松よし――老舗の物語を引き継ぐ
5 兜町第7平和ビル――旧ATMコーナーをオープンスペースに
6 建築のリレーで見えたこと

第3章 まちの文脈から使い方を考える

1 蔦の家――古さや手作りを楽しむ人を呼び寄せる
2 ビジネスインのむら――前用途の痕跡を残しながら新しい用途を考える
3 まちの文脈に接木をするように考える

第4章 思い出を建築に託す

1 パブリック・ハイツ――思い出の品々の再編で住空間を作る
2 龍宮城アパートメント――オーナーと建築とまちをひとつながりに考える
3 1930の家――引き算のデザインで古色を活かす
4 長生きする建築は異なる世代を結ぶ媒介者

第5章 建築を残す意味と「建築のリレー」のデザイン

1 建築を残すことにどんな意味があるのか
2 「建築のリレー」とは
3 「建築のリレー」のデザイン

第6章 新築でも「建築のリレー」はできるのか

1 新築でも「建築のリレー」の手法は使える168
2 SUPERNOVA KAWASAKI――大規模再開発でもまちの文脈を読み取って作る

第7章 進む時間と巡る時間の実体化――下北沢

1 鉄道工事による再開発が長引いた下北沢
2 下北沢ケージ――仮設建築でまちの期待値を上げる
3 ハイランド――将来のリノベーションを想定して新築する
4 シモキタフロント――まちの切断面を時間をかけて癒す
5 建築のリレーに向けた初期設定

第8章 これまでとこれからの間の創造

1 「建築のリレー」における企画とデザインの関係
2 建築の生死はまちの価値にかかっている
3 これまでとこれからの間にある創造

あとがき、注、プロジェクトデータ

 

作者介紹

宮部浩幸(みやべ ひろゆき)

1972年生まれ。1997年東京大学大学院工学系研究科修了。
北川原温建築都市研究所、東京大学工学系研究科助手、リスボン工科大学客員研究員を経て、2007 年スピーク(SPEAC)のパートナーとなる。2015年より近畿大学建築学部准教授。2021 年より同教授。博士(工学)、一級建築士。
建築作品に「パブリック・ハイツ」「兜町第七平和ビル」など。主な共著書に『世界の地方創生』『リノベーションの教科書--企画・デザイン・プロジェクト』(学芸出版社)。

 

本書は建築を残すことの意味とそれに相応しい企画やデザインの方法を考え記したものだ。建築に流れた時間をどのように捉えて、それをどのように我々が活かし、次の世代へ渡していくのかということについて考えてきた成果をまとめている。建築や都市の創造に関わる職能の方々には方法論の一つとして捉えていただけるとありがたい。90年代以前に学生時代を過ごした人たちは当時主流だった思想との違いを感じるだろう。建築や都市について学ぶ若い学生には思想的には馴染みやすい内容だろう。ここに書かれた方法をデザインや企画を考える際の手がかりにしてほしい。そして、建築や都市を専門としない人たちには、建築や都市を鑑賞して楽しんでいただきたい。私たちが生きる時間の前や後のことを感じ想像することができる。本書にはそのための建築や都市を読み取る方法が書いてあると捉えていただけると嬉しい。

2000年代に入り日本でもリノベーションという言葉が広がり、一般化してきた。さまざまな事例を目にする中で、既存建築を活かすことでしか達成しえないことがあることを察知している人も増えてきた。一方で、そうしたことは感覚的なこととして扱われ、再現性のある方法はあまり語られてこなかった。私が関わってきたほとんどのプロジェクトの主題は建築を残すことでも、そこに流れた時間を活かすことでもなかった。しかし、それぞれのプロジェクトの中で私はそれらのことを考えてきた。そして、建築や場所に流れた時間、それに関わってきた人たちの営みを文脈として読み取り、それへの応答を建築で行うようになった。実践と研究を重ねるうちに、私は建築行為を過去からのバトンを未来へと繋いでいく「リレー」のようなものとして捉えるようになった。そうすると、私が考え実践してきたことは昔からなされてきた自然なことだが、近代的な思想が広がる中で忘れられていたものであることに気がついた。
なお、本書でたびたび出てくる「建築のリレー」という言葉は建築という物体というよりも建築という行為を指している。
本書は大きく四つのパートからなる。
一つ目のパートは第1章。近代的思想の中で培われてきた考え方への疑問やそれについての私の考えを述べた。その後、古今東西の建築の事例の中で特に重要だと考えられるもの取り上げ、「建築のリレー」のデザイン手法を分析、解説した。
二つ目のパートは2章から5章。私がリノベーションの実践を通して考えたことや得た知見をまとめ、建築を残すことの意味について考察した。
三つ目のパートは6章と7章。リノベーションを通じて得られた知見が、新築でも有効であることを示した。
最後の8章では、総括として「建築のリレー」の企画とデザインの関係性についてまとめた。さらにリノベーションでも新築でもこれまでとこれからの時間に対する眼差しが大切であることを述べた。

本書で記した「建築のリレー」の方法は基本的なものだ。これを応用、発展した新たな「建築のリレー」がそこかしこに展開されることを願っている。
2025 年9月吉日
宮部浩幸